生命保険(死亡保険)って、「亡くなったらお金が下りる」ということは分かっても、「この保険とその保険、何が違うの?」と分からなくなってしまうこと、ありますよね。今回は、そんな生命保険の種類についてご紹介します。
特に、結婚している方や、お子さんがいる方、扶養家族がいる方、そしてもちろん保険を検討している方にオススメ! 似ているけどちょっと違う、それぞれのタイプの「保険の違い」が、分かるようになりますよ。
違いが分かれば頭もスッキリ!生命保険は3つに分けて考えよう!
実は生命保険(死亡保険)の中には、3つのタイプがあります。それは、「定期保険」「養老保険」「終身保険」です。これからこの3つについて解説していきましょう。
「定期保険」とは?
一定期間だけを保障する安い保険
定期保険というのは、「一定期間だけ」保障しますよという保険で、よく「掛け捨て」と言われます。たとえばこんな感じ。
【例1】今年の4月1日に、40歳のAさんが60歳になるまでの20年間、500万円の定期保険をかけたとします。もしAさんが20年後(60歳時)の3月31日までの間に亡くなったら、ご遺族(又は最初にきめておいた受取人)に500万円が支払われます。
では、もしその人が20年後の4月1日に亡くなったとしたら?
その場合、1円も支払われません。なぜなら、「一定の期間」を一日過ぎてしまったからです(「掛け捨て」と言われるゆえんですね)。それまで毎月保険料を支払ってきたのに、理不尽に思われるかもしれませんね。でも、その代わりに安く済むのがこの保険の特徴なんです。(今回の例だと、月に2,000円くらいのイメージです。)
「収入保障保険」も定期保険の一つ
定期保険の一つに、「収入保障保険」というものがあります。これは、もし保険を掛けていた方が亡くなった場合、契約が満了する日まで毎月一定の金額を出しますよ、という保険です。通常の定期保険が一時金給付型の死亡保険だとすれば、収入保障保険はいわば、月々給付型の死亡保険ですね。わかりやすくするために、具体例でみていきましょう。
【例2】今年40歳のBさんが60歳まで20年間、毎月10万円の収入保障保険を掛けたとします。そしてちょうど1年後、Bさんが41歳で他界したとします。すると、ご遺族(または最初に決めておいた受取人)には契約満了までの19年間、毎月10万円が支払われます。
このBさんの場合、遺族が受け取る金額は月々10万円ですが、受け取れる合計すると、10万円×12か月×19年=2,280万円となり、かなり大きな額が保障されているのがお分かりいただけるかと思います。
ところが実は、収入保障保険では年月が経つにつれて、保障される金額が少しずつ小さくなっていくという特徴があるんです。たとえば、先ほどのBさんが10年後、50歳で他界した場合を考えてみましょう。
【例3】今年40歳のBさんが60歳まで20年間、毎月10万円の収入保障保険を掛けたとします。そして10年後、Bさんが50歳で他界したとします。すると、ご遺族(または最初に決めておいた受取人)には契約満了までの10年間、毎月10万円が支払われます。
Bさんのご遺族に支払われる金額を計算すると、10万円×12か月×10年=1,200万円です。受け取れる期間が短くなる分、41歳で亡くなる場合より減ってしまいますね。
このように、収入保障保険は年月が経つにつれて、少しずつ保障してくれる金額が減っていく保険なんです。その代わり、2,000万円程度の定期保険20年間契約するのに比べたら、月々の支払いはだいぶ抑えられて、なおかつ若いうちに大きな保障を確保できる。それがこの保険のいいところなんですよ。
「養老保険」とは?
満期になるとお金が戻ってくる
養老保険、聞き慣れない期保険と一緒ですね。では定期保険と何が違うのかというと、「保障期間が終わったら、支払った金額にすこしプラスしてお返しします」という、なんとも太っ腹な保険なんです!
【例】 40歳のCさんが60歳になるまでの20年間、500万円の養老保険を掛けたとします。この20年の間にもしAさんが亡くなってしまったら、ご遺族(又は最初にきめておいた受取人)に500万円が支払われます。ここまでは定期保険と同じ。
しかし60歳でこの保険が満期を迎えると、500万円がCさんの手元に戻ってきます!(これを「満期保険金」と言います。)
満期を迎えずに途中で解約する場合でも、契約されてからある程度年数が経っていれば、契約期間に応じてお金が戻ってきます。保障を確保しつつ、保険会社がお金を貯めてくれているイメージなんですね。
養老保険の保険料は高め
でも月々の保険料は定期保険よりだいぶ増えて、先ほどの例だとだいたい2万円くらいになります。これを20年間払い続けると、支払った合計は480万円になりますね。そして戻ってくるのが500万円ですから、20万円増えて戻ってくるわけです。このお金で老後を養ってくださいっていう保険なんですね。だから養老保険といいます。
支払った金額より減ってしまうことも
ここまでざっくり養老保険の話をしてきましたが、一つ注意点があります。それは、最近の養老保険はあんまりお金が増えないっていうことです。むしろ、満期保険金が支払った総額より少なくなってしまうことも……。なんでこうなってしまったのか、そもそもなんで支払ったお金が返ってくるのか、そのあたりについては別の記事で詳しくご紹介しましょう。
「終身保険」とは?
終身 = 一生涯
「保障は一生涯!」っていうパワーワード、一度はCMで聞いたことがあるじゃないでしょうか。このように、「保障が一生涯」の保険を「終身保険」と言います。終身っていうのは、保険用語で一生涯っていう意味なんです。
【例】 40歳の人が500万円の終身保険に加入したとします。その場合、Aさんが41歳で亡くなっても、100歳で亡くなっても、ご遺族(又は最初にきめておいた受取人)に500万円が支払われます。
保険料の支払期間は選べる
じゃぁ、月々の支払いも一生涯になるんでしょうか。
答えはNo。というのも、多くの終身保険では「いつまで支払いを続けるか」ということが選べるようになっているからです。例えば先ほどの例のですと、60歳で支払いを終わらせることもできるし(月々の支払いはちょっと高め)、80歳まで支払い続ける(月々の支払いは安い)というプランも選べるわけです。月々の保険料は、60歳まで支払うプランの場合、だいたい1万5千円くらいというイメージでしょうか。
途中解約してもお金が戻ってくる
この保険も契約されてからある程度年数が経っていれば、契約期間に応じてお金が戻ってきます。特に、支払いを終わらせた後に解約すると、お金が増えて戻ってくる場合がほとんどです。養老保険と同じく、保障も確保しながら保険会社がお金を貯めてくれているイメージなんですね。
ただ、残念ながら終身保険も、養老保険と同じく最近はあんまりお金が増えないようになってきています。なんでこうなってしまったのか、そもそもなんで支払ったお金が返ってくるのか、そのあたりについては別の記事で詳しくご紹介します。
まとめ
- 生命保険(死亡保険)には、「定期保険」「養老保険」「死亡保険」の3種類がある。
- 定期保険は一定期間だけの保障。解約しても満期になってもお金は戻ってこないけど、その分安い。
- 養老保険は一定期間だけの保障。満期になるとお金が戻ってくる。
- 終身保険は一生涯の保障。支払い終わった後に解約すると、お金が増えて戻ってくることが多い。