以前の記事で、必要な保険について少し詳しく解説しました。
今回はその内容と少々重なりますが、ここではオススメできない保険も加えて、簡潔にご紹介したいと思います。
この記事はこんな方にお勧め
- 最近結婚した方
- 子供ができた方
- 生命保険を見直したい方
- 月々の保険料が高くて悩んでいる方
- 貯蓄性のある保険(養老保険、終身保険)を契約している方
必要性◎(自信をもってオススメする保険)
就業不能保険 ※10年更新型は×
就業不能保険というのは、働けなくなった時の保険です。もちろんこれは、仕事がイヤになって辞めたときにお金を出してくれるような、失業保険みたいなものではありません。病気やけがで一定期間以上働くことができなくなってしまったときに、毎月一定額を出してくれる保険です。
医療保険の先進医療特約 ※10年更新型は×
公的医療保険の適用外で全額自己負担となる先進医療の技術料を保障してくれる保険です。負担の大きなものだと300万円以上することもありますので、経済的負担の軽減だけではなく、治療の選択肢を広げるという意味でもオススメなものとなっています。
月々タイプのガン保険 ※10年更新型は×
治療した月ごとに〇万円受け取れる、というタイプのガン保険です。
ガン治療の出費は治療が長期化した時に大きくなります。このタイプの保険だと、治療が長期化すればするほど給付金が大きくなりますので、一時金タイプ(ガンと診断されたら〇万円、というタイプ)よりも実態に合っていますね。
また、一般的に通常の医療保険には入院や手術、放射線治療の保障が付帯していますが、抗ガン剤治療など入院を伴わない通院は保障対象外となっている場合がほとんどです。そのため、医療保険とは別に月々タイプのガン保険への加入をオススメしています。
収入保障保険(家庭持ちの人向け) ※10年更新型は×
家族を養っている人にオススメの死亡保険です。収入保障保険というのは、もし保険を掛けていた方が亡くなった場合、契約が満了する日まで毎月一定の金額を出しますよ、という保険ですね。月々給付型の死亡保険と言いましょうか。
特にお子さんがいる方だと、お子さんが小さい時には大きな保障を確保しておく必要があります。収入保障保険だと若いうちに大きな保障を確保できるので、オススメです。
必要性△(やってもいいと思うけど、あんまりオススメしない保険)
定期保険(定期死亡保険)※10年更新型は×
収入保障保険が「月々給付型の死亡保険」なら、定期保険は「一時金型の死亡保険」ですね。保険を掛けている期間、一定の金額が保障されるという保険です。
家族を養っている方が加入される場合が多く、特にお子さんの大学進学時の学費を確保しておく目的で加入されている方が多いようです。ただ、収入保障保険の保険金額を少し大きめに設定しておけば、定期保険の必要性は低いかと思います。
特に10年更新型の定期保険に加入されている方は、今すぐ保険の見直しをされることをオススメします。
学資保険
お子さんの学費を貯めながら親御さんの死亡保障を確保する保険です。ただ、現状の低金利下ではお金はあんまり増えませんし、何かしらの理由で途中解約すると目減りする可能性もあります。ですので、学費を貯めるのはNISAで、死亡保障は収入保障保険で備えておく方がオススメです。それでも余裕があれば、プラスアルファで学資保険を検討しても良いかと思います。
必要性×(やってるなら見直しを!)
10年更新型の保険
10年で契約を更新するタイプの保険に加入されている方は、すぐに保険を見直してみてください。10年毎に保険料が上がり、高齢になるとえげつないことになります。
特に医療保険は高齢になってからこそ役に立つのに、その時に「保険料が高くて医療保険は続けられない」となったら目も当てられません。
死亡保障も、10年更新型の保険を2回更新して30年間続けるくらいなら、最初から30年間の保険を契約しておいた方がトータルでは安上がりになります。月々の負担が軽くなるのは最初の10年間だけです。
一時金タイプのガン保険
ガンと診断確定されたら〇万円(例:100万円)、というタイプのガン保険です。このタイプはオススメできません。その理由をご説明しましょう。
- 本当にその100万円で治療費が足りるのかが分からないから。
- 逆に早期発見できた場合には、100万円だともらいすぎてしまう可能性もあるから。
もらいすぎてしまうのはむしろメリットに感じられるかもしれませんが、その分、保険会社に支払う月々の保険料が大きくなるということ。ですのでガン保険は月々タイプの方がオススメです。
特定疾病保険(三大疾病保険・七大疾病保険など)
医療保険の特定疾病一時金特約
特定の病気になったら一時金〇万円が下りてくる、という保険です。通常の医療保険(入院保険)と月々タイプのガン保険に入っていれば、必要性は低いです。
外貨建て保険
現在の日本の低金利下ではほとんどお金が増えません。一方で、アメリカは日本よりも金利が高いので、米ドルであれば効率よくお金を増やすことができます。だから、「死亡保障は〇ドル、月々の支払いは×ドル」という感じで、日本円ではなく外貨(特に米ドル)を基準にして貯蓄性を高めた保険が今普及してます。それが「外貨建て保険」と言われるものです。
ただ、外貨建て保険は為替相場の影響を受けますので(「為替リスク」といいます)、保障としては少々不安な部分があります。リスクを取ってでも高い貯蓄性を期待するならば、保険よりもiDeCoやNISAなどの仕組みを使う方がオススメです。(投資の必要性についてはこちら、投資の始め方やNISAについてはこちら)
変額保険
繰り返しになりますが、現在の日本の低金利下ではほとんどお金が増えません。だから、金利に依存しない投資信託(複数の株や債券などのパッケージ)でお金を増やそう、というコンセプトで作られたのが「変額保険」というものです。要は、保険と投資信託を組み合わせたものですね。
変額保険では月々の支払い額のうち、一部が死亡保障や経費のために使われ(隠れコスト)、残りが投資信託に入っていくという仕組みになっています。ただ、どのくらいの金額が保障や経費に回っているのかは、保険会社は公表していません。でも実は、このコストが結構大きかったりします。結果、投資信託にはあんまりお金が入らない、なかなか増えないということになってしまう。
だから、リスクを取ってでも高い貯蓄性を期待するならば、保険よりもiDeCoやNISAなどの仕組みを使う方がオススメなんです。(投資の必要性についてはこちら、投資の始め方やNISAについてはこちら)
その他貯蓄性のある保険
繰り返しになりますが、現在の日本の低金利下ではほとんどお金が増えません。貯蓄を目的とするならiDeCoやNISAなどの仕組みを活用する方がオススメです。「貯蓄と保障、両方ほしい!」という方は、「iDeCoまたはNISA + 収入保障保険」という組み合わせを検討してみてください。(投資の必要性についてはこちら、投資の始め方やNISAについてはこちら)
保険を見直すには?
保険を見直すなら、FPに相談するのがオススメです!自分で保険会社を調べたり、違いを比較したりするのって結構大変な作業になります。保険に精通したFPなら、現状の保険のチェックからおすすめプランの見積もりまで、全部相談に乗ってもらえますよ。