以前の記事で、投資の第一歩としてつみたてNISAをオススメさせていただきましたが、具体的にどのような証券会社を見つければ良いのかを説明していませんでした。
そこで今回は、つみたてNISAを始めるにあたってどのような証券会社を選べばよいのか、その条件に合う証券会社はどこなのかを解説していきます!
今回の記事はこんな方にオススメ!
- 投資をこれから始めたい方
- NISAに興味のある方
- ポイ活をしている方(お金を貯めながらポイントを稼ぐ方法も解説します!)
- 将来のお金に不安のある方
つみたてNISAで選ぶべき金融機関の条件は?
つみたてNISAをやる金融機関の選び方はいくつかあると思うのですが、ここでは私が考える「金融機関を選ぶ条件」をいくつかご紹介させていただきます。
① 対面販売していないこと
「そういえば近所の銀行でNISAのチラシ貼ってあったな……」って思い出しても、どうかその銀行には行かないでください。証券会社でも一緒です。人が窓口で対応してくれる金融機関は、対面で相談できる分安心に感じられるかもしれませんが、しかしそのような金融機関では、店舗を構えたり窓口の人を雇ったりするためにどうしても費用がかかります。その分、手数料が高くなりがちなんです。
また、窓口で相談すると「今の時代にはこちらの商品の方がオススメですよ」などと営業をかけられ、変額保険や個人年金など別の商品を契約してしまうことになるかもしれません。もちろん、窓口の方は善意でそのような提案をされるのかもしれませんが、金融機関側が提案してくる商品は手数料が高いことも多いんです。
(これは銀行や証券会社だけではありません。私も保険営業時代、研修で変額保険のメリットを懇々と説明され、それを提案するように言われていました。でも変額保険の実態は、別の記事でもご説明した通りです……)
実店舗を構えていないネット証券の方が手数料も安く、無用な営業を掛けられる心配もありませんのでオススメです。
② 手数料が安いこと
投資信託は購入時や売却(解約)時に手数料がかかることがありますが、ネット証券であればこれらが無料であることが多いので、あんまり気にしなくて構いません。
なお、投資信託の保有中はわずかながら費用(信託報酬)がどうしても掛かってしまいます。ただしこれは同じ投資信託であればどの証券会社から買っても同じですので、証券会社選びの際には気にしなくて構いません。ちなみに私が初めの1本として推奨している投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 」通称オルカンですが、こちらの信託報酬は税込みで年0.05775%以内です。(2023年10月6日現在)
③ 積み立てしながらポイントを貯めれること
一部の証券会社では、提携しているクレジットカードで積み立てをすると、その積立金額に応じてポイントをもらうことができます。このようなサービスを利用しない手はありません!ポイント還元率の高い証券会社がオススメです。
④ つみたてNISAの対象銘柄数が多いこと
2023年10月6日現在、つみたてNISAは246本の投資信託と8本の上場投資信託(ETF)が対象となっていますが、証券会社はこれらのすべてを取り扱っているわけではありません。ですので、取扱銘柄数の多い証券会社の方が選択肢が多くて有利と言えるでしょう。
ただし、246本の対象銘柄の中には、結構似たり寄ったりな投資信託があったりします。たとえば246本のうち、全世界の株式に投資していく投資信託は15本、先進国に投資していく投資信託は12本あるんです。
(ファンド名にそれぞれ「全世界」「先進国」を含む指定インデックス投資信託の数。金融庁の資料を参照)
ですので、取り扱い銘柄数は多いに越したことはないけれども、ある程度の数があればOKと考えていただければ良いかと思います。
主要ネット証券4社を比較!
口座数の多いネット証券会社4社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券)のつみたてNISAについて、比較表を作ってみました。尚、いずれの証券会社も提携クレジットカードでの積み立てに対応しています。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | |
---|---|---|---|---|
購入時 申込手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
投信つみたて 設定金額 | 100円から | 100円から | 100円から | 100円から |
つみたてNISA 対象銘柄数 | 209 | 199 | 169 | 203 |
クレカ積立 対象カード | 三井住友カード等 | 楽天カード | マネックスカード | au PAYカード |
クレカ積立 ポイント還元率 | 0.5~5% ※カード種類による | 0.5~1% ※カード種類と信託報酬による | 1.10% | 1% |
いずれの証券会社も購入時申込手数料は無料で、月々100円から5万円の間で積立設定ができるようになっています。
つみたてNISA対象銘柄数は3社が拮抗
比較ポイントとなるのはやはり、つみたてNISAの対象銘柄数と、クレカ積立のポイント還元率でしょうか。対象銘柄としてはSBI証券、楽天証券、auカブコム証券の3社がほぼ200銘柄と拮抗していますが、マネックス証券は169銘柄と少なめです。とはいえ、前述のようにNISAの対象銘柄の中には似たり寄ったりなものも含まれていますので、この差を大きいとみるか小さいとみるかは人それぞれでしょう。
有名どころの投資信託はマネックス証券でも取り扱っていますし、取り扱い数も徐々に増えています。「とりあえず積み立て設定したらあとは放置する予定」「そこまで細かい違いは気にしない」という方にとっては、大きなデメリットではないかもしれません。
年会費無料で還元率が高いのはマネックス証券+マネックスカード
ポイント還元率でいえば、SBI証券が最大5%と頭一つ抜き出ていますが、5%が適用になるのはいわゆる「プラチナカード」と呼ばれる類の年会費の高いカード。1%以上になるカードも基本年会費がかかります。楽天証券も、還元率が0.5%を超えるのは、年会費のかかるカード積み立てた場合か信託報酬の高い投資信託に積み立てた場合です。現在これらのカードを持っているのであればSBI証券や楽天証券を選ぶと良いでしょう。ただし、還元率を上げるだけのために年会費を支払うのは賢明とは言えません。
一方でマネックス証券が提携しているマネックスカードは初年度年会費無料。次年度以降の年会費は550円(税込)ですが、投信つみたても含めて年1回以上のクレジットカードの利用で無料になりますので、積み立て設定をしておけば年会費はかかりません。それでいて投信つみたてによる還元率は1.1%と高く設定されていますので、「マネックス証券+マネックスカード」はオススメの組み合わせです。また、マネックスカードはカードショッピングによるポイント還元率も1.0%と高いですので、ショッピング用のクレジットカードとしてもオススメの1枚です。
auカブコム証券が提携しているau PAYカードは年会費無料ですが、投信積立の還元率は1%でマネックス証券に一歩及ばずです。
まとめ
なにを重視するかで選ぶべき証券会社は変わる
つみたてNISAで効率よく積み立てながらポイントも稼いでいくことを考えれば、マネックス証券が第一の選択肢となるでしょう。しかし、「投資信託は細かく選んでいきたい」という場合ならもっと取扱数の多い証券会社を、「三井住友カードのプラチナをすでに持っている」という場合にはSBI証券を選ぶのがベターです。
また、今回はつみたてNISAをするならという前提で証券会社を比較してみましたが、国内株式、国外株式など、他の投資先を検討するのであれば選択肢は異なってきます。もちろん、つみたてNISAと株式投資で別々の証券会社を使うのもアリ。自分の状況や投資先に応じて、ぜひ最適な証券会社を見つけてみてくださいね!